有機とは?

 

有機とは、どういう事ですか?」との質問に、はっきりと答えられる人に出会った事がありません。
ほとんどの人が、辞書に書いてあるような事を話すだけで、本当に解っているとは思えません。

  ※ 有機という言葉を盲信している人に、「有機のカルシウムと無機のカルシウムは、どう違うのですか?」と質問してみて下さい。

最先端を行く学者は、有機とか無機とかという言葉を使いません。  →全ての有機物は、無機物で構成されているのです。
その中でも、炭素(C)の化合物、解り易く言えば、燃える物を有機物と呼んでいるだけのです。

腸内細菌など、微生物に関しても、善玉菌とか悪玉菌という専門家はいません。
人間にとって、都合の良い微生物を善玉菌と呼び、都合の悪い微生物を悪玉菌と呼んでいるだけなのです。

地球は、人間の為に存在している訳ではありませんので、人間にとって有害な物は山ほど存在しています。

地球誕生

今から約46億年前に地球が誕生し、そして、35億年前に光合成を行い酸素ガスを放出する細菌が出現したと言われています。
それまでの地球は、今の月のような状態であり、何の生物も存在していなかったのです。

最初に出現した細菌の仲間の一つが“藍藻”であり、“シアノバクテリア”と呼ばれています。
この藍藻は、有機物のない不毛の地や岩石でも、水分さえあれば生育します。

この藍藻(シアノバクテリア)は、35億年前から現在まで、海の中にも土の中にも、ずっと生き続けています。
海が汚れたり腐らないのは、藍藻(シアノバクテリア)が生き続けているからであり、常に、有害な物を分解し浄化し続けているからです。

藍藻(シアノバクテリア)は、“アルカリ性の環境”であれば増殖しますが、“酸性の環境”では増加しなくなります。

だから、アルカリ性の海の中では、常に、藍藻(シアノバクテリア)が増殖しているのですが、
日本は、カルシウムの少ない火山地帯であり酸性土壌に加え、現在降り続いている酸性雨の影響で土壌環境が悪化している為に、
昔から続く農業が、ダメになっているのです。

昔ながらの農業”と聞くと、聞こえは良いですが、
雨という環境条件が、昭和30年代あたりまでは、ほぼ中性の雨だったと言われているのですが、
現在では、年間平均pH4.6の強い酸性雨が降っていますし、降り始めにはpH3.2の酢と同じくらいの“恐ろしい酸性雨”が降っているのです。

だから、土壌中に棲む“微生物の生態系が完全に変わってしまった”のです。
解り易い言葉で言えば、“悪玉菌が増殖した土壌環境に変わってしまった”という事です。  →これでは、健康な作物ができる筈がありません。

だから、有機農業で栽培された農作物の分析データを、一般の農作物の分析データと比較すると、一般の農作物よりも悪いのです。
外国では、農作物の分析データを提示ますが、日本では分析データを提示しないので、無農薬などの言葉で誤魔化されているのです。

分析データのない農作物は、世界では認められません。
しかし今後は、分析データに基づいて、農作物は“品質で選ばれる時代になる”のは間違いありません。

福井県で生まれた“ピロール農法”が、世界中から注目されているのは、30年以上の確かなデータに裏付けけられているからです。
古代より土壌中に眠る藍藻(シアノバクテリア)の増殖を助ける農法が、ピロール農法です。  →安全で、しかも健康な農作物が育ちます。


藍藻(シアノバクテリア)誕生の後

35億年前に誕生した藍藻(シアノバクテリア)が誕生した後に、どんどん有機物が作られました。
植物は、ぶどう糖を作り、デンプンという形に変えて体内に貯えました。

次に、ぶどう糖をエネルギーとして生きる草食動物や人間が生まれました。
その次に、動物を食べて生きる肉食動物が生まれたのです。

人間の食性は、32本生えている歯形を見れば、20本が臼歯であり、米を中心とする穀物を食べるようになっているという事が解ります。

糖質は、<単糖><少糖類(オリゴ糖)><多糖類(グルカン・繊維質)>の3つに分かれますが、
いずれも、ぶどう糖で構成されており、その結合の仕方によって、人間に消化できるものと消化できないものがあります。

消化(分解)できるものは、自分で消化して、エネルギーに変換しますが、
消化(分解)できないグルカンなどは、大腸に棲む腸内細菌の分泌する酵素で分解されて、
エネルギーになる栄養素以外の重要な物を産生しているのです。

デンプンは、ぶどう糖が単純に繋がっていますので、人間の消化酵素で簡単に分解する事ができ、エネルギーに変換できますが、
同じように、ぶどう糖だけで構成されているグルカンは、複雑な繋がりをしている為に、人間の酵素では分解できません。

人間の酵素で分解できない多糖類(グルカン)は、腸内細菌が分泌する酵素で分解されて、重要な成分が産生されています。
β1.3-1.6グルカンは、癌に効果があると言われますが、同じβグルカンでも、β1.4グルカンは癌には効果がないのです。
樹の幹の中は、セルロースと呼ばれていますが、これがβ1.4グルカンなのです。  →即ち、木の幹の中はぶどう糖の塊なのです。

人間に限らず、多くの昆虫や鳥、その他、人間を含む動物や微生物までもが、
このぶどう糖をエネルギーとして生きているという事が解ります。


全ての物質は、元素でできている

地球上には、無機物・有機物を含め、あらゆる物質が存在していますが、その全ての物質は、“元素(ミネラル)”で構成されています。

植物も人間も、元素を自分で作る事ができないので、植物は土壌中から元素を吸収し、人間は植物を食べる事で元素を吸収しています。

植物も人間も、炭素C・水素H・酸素Oを多く含んでいる事が共通していますが、
この3つの元素は、3大栄養素を構成する<糖質>と<脂質>を構成する元素です。      炭素C+水素H+酸素O

この3つの元素に、窒素Nと硫黄Sが加わって<蛋白質>が構成されます。
3大栄養素は、この3つの元素だけで作られているのです。                  炭素C+水素H+酸素O+窒素N+硫黄S 

 

何故、この3つの元素が多く含まれているかというと、
植物の場合は、光合成による活動を行っている事と、植物の幹の主成分がセルロースである事による為、C・H・Oが必要とされるのです。

動物の場合は、呼吸の際に酸素を取り込み、その際に二酸化炭素COと水が形成されると共に、
動物の体が、様々な有機物と水でできている事から、C・H・Oの割合が高いのです。

動物の場合は、C・H・Oだけでなく、P・Caも比較的多く含まれていますが、それは骨格がこの2元素で構成される為です。


地球が誕生し、その後、あらゆる有機物が作られ、<分解>と<合成>を繰り返しながら今日があります。

無機元素(無機物)の場合は、風・熱・振動などによって、<分解>と<合成>が繰り返されていますが、
有機元素(有機物)の場合は、微生物が分泌する酵素(生物が分泌する触媒になる物質)によって、<分解>と<合成>が行われている。

地球上には、数え切れない数の微生物を含め、生物が生きていますが、それぞれ酵素を分泌しています。
そして、その酵素は、たった一つの働きしかしません。

自然界に存在する酵素は、25000種類以上と言われ、人体内の酵素は、3000種類と言われています。
しかし、この数字は微生物が分泌する酵素の数は含まれていないと思われますので、実際の数は驚異的な数であると思われます。


よく生食は、酵素が生きているから体に良いとか、
生きた酵素を摂れば“人間の体内にある酵素が節約できる”のだと言われていますが、その根拠を誰か1人でも示している人がいるでしょうか?

肩書きのある人の嘘が、一番の罪だと思います。  ※ 医者の肩書を持つ“金の盲者”が沢山いますので、困ったものです。

使わないものは退化するというのが、自然界の摂理であり、道理です。


ある展示会に見に行った時、呼び止められて酵素の実験を見せられました。
片栗粉を湯で練った物に、その会社が販売する酵素製品を加えると、水のようにサラサラになりました。

「どうです。すごいでしょう!」と言われますが、私には、「???」何がすごいのか解りません。
片栗粉、即ち、デンプンに酵素を加えると、デンプンが分解されて水のようになったという事は、
その酵素製品には“デンプン分解酵素”が含まれているという事です。

その酵素製品を加えなくても、唾液にはデンプンを分解する酵素がありますので、唾液を少し加えるだけで同じ結果になります。
ご飯を何回も噛んでいると、ご飯が口の中で甘くなってきますが、
これはご飯の澱粉が唾液に含まれる“デンプン分解酵素”によって分解されて、口の中でブドウ糖に変わるからです。

唾液が出ない人なら別ですが、この酵素製品は全く不要です。
酵素という商品名を付けるなら、含有されている酵素の種類を表示すべきです。

私の手元には、テレビ宣伝など、大々的に宣伝をしながら販売している有名な酵素製品の分析データがあります。
日本食品分析センターで分析された分析データを見ると、色々な種類の酵素力価が分析されていますが、いずれも酵素力価は0です。

その事をメーカーの人間に聞くと、「商品名が○○酵素であって、酵素が含まれているという事ではないのです。」との説明でした。

もう1つ、私の手元に、大きな大嘘が印刷された有名メーカーの販売する「◎◎酵素」の初期に印刷されたパンフレットがあります。
そこには、大きな特徴と書いてあり、「マイナス2℃による低温発酵」と印刷されています。
  →このパンフレットは、すぐに破棄され、新しいパンフレットに切り替えられ、この大きな特徴が削除されていたのです。


【甘酒】

ご飯に麹菌を加えて保温すると、ご飯に含まれるデンプンが分解されて“ブドウ糖”に変わり、“甘酒”ができます。  
甘酒の事を、“飲む点滴”と呼ぶ人もいます。

病院では、ブドウ糖を点滴しますが、血液の中に直接、ブドウ糖を入れるとすぐに元気になります。
江戸時代には、夏バテの時などに、甘酒を飲んでいたそうですが、
麹菌によって澱粉が分解されて、点滴と同じように“ぶどう糖”にまで分解されているので、飲むとすぐに吸収されて元気になるのです。

市販ジュースに使われている“ブドウ糖液糖”と同じような成分の“甘酒”を、日本人は昔から作って利用していたという事です。


【玄米&酵素】

“玄米”という魔法の言葉と“酵素”という魔法の言葉、この両方を持ち合わせた健康食品が、何種類か販売されています。
ほとんどの製品が、米糠に麹菌を加えて発酵(分解)させた物です。

この製品には“デンプン分解酵素”を持つ麹菌を使っていますので、
片栗粉をお湯で練った物に加えると、デンプンが分解されて水のようにサラサラになります。

米糠には、多くの繊維質とデンプンが含まれています。
デンプンが発酵(分解)すれば、ブドウ糖になりますので甘くなります。

しかし繊維質は、発酵(分解)できませんので、繊維質がそのまま発酵(分解)せずに含まれています。
だから食べると繊維質が、大腸に棲む“腸内細菌が分泌する酵素”で分解され、便通が良くなる人がいるのです。

米糠と麹菌だけの原料では高く販売できないので、その他の原料を加えて高めに販売されています。

【無用の用】

荘子が、多くの例え話で、“無用に見える物”の有用性を説いていますが、
栄養にばかり目を向けていると、一見、“無用”に見える繊維質の重要性を見失ってしまいます。

動物を見ると、発酵した物を食べません。
動物の体は、動く発酵工場のようなものですので、“発酵していない物を食べて、体の中で発酵(分解)させて生きている”のです。

動物は、エネルギーに変わる栄養素に対しては分解する酵素を自分で持っていますので、栄養素を自分で発酵(分解)させて小腸で吸収します。

しかし、人間は繊維質を分解する酵素を体内に持っていないので、発酵(分解)されないまま小腸を素通りして大腸に到達します。
大腸に到達した後、繊維質は大腸に棲んでいる“腸内細菌が分泌する酵素”で分解されて、
核酸・酪酸・酢酸・乳酸・セロトニンなど各種のホルモン・ビタミンB群など、健康保持の為に重要な働きの成分が産生されているのです。

 ⇒腸内細菌は、分解できる繊維質が無ければ増殖する事ができません。

八丁味噌は、三年かけて100%完全発酵(分解)させた味噌です。
100%完全発酵(分解)すると、それ以上は分解できないので、わざに雑菌を混入しても腐敗(分解)できません。

だから、昔の人は腐敗しない八丁味噌を腰にぶら下げて旅をしたそうです。

電気のない時代は、乾燥させたり、微生物で発酵(分解)させたりして、食品を長期保存していたのです。
極端な例ですが、もし八丁味噌のように、
100%完全発酵した食品しか食べなかった場合、唾液・胃液・膵液などの消化酵素は必要なくなってしまいます。

消化酵素の必要がなくなれば“酵素分泌機能”が退化し、やがて酵素の分泌ができなくなります。
酵素は、必要に応じて分泌するものですので、酵素の節約など“嘘話”であり、使わなければ機能退化するのです。  ⇒これが道理なのです!


有機肥料の使用目的は、土壌微生物を増殖させる為です。

土壌微生物は、有機物を分解する事で増殖していますので、有機肥料を土壌中に投入しなければ、土壌微生物が増殖しません。
土壌中に投入した有機肥料は、土壌中に棲む微生物によって無機物に分解され、植物に吸収されるのです。  →有機物のままでは吸収しません。

栄養のない繊維質は、腸内細菌を増殖させる為であります。
栄養のない繊維質は、小腸を素通りして大腸に到達し、大腸に棲む腸内細菌によって分解され、
セロトニン・核酸・酪酸・酢酸・乳酸・各種ホルモン類・ビタミンB群など、栄養素以外の重要な成分が産生されているのです。


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